船のエレベータ?サントル運河(ベルギー王国)

【さるきまわった時期 2014年7月】

アウトバーンの速度制限なしの区間はどこから?

結論から言うと、こんな感じの地味〜な
標識が速度制限解除(速度無制限)を意味します。

速度制限標識もところどころにあって、それも必ず守ります。
道幅が狭かったり、渋滞や工事中も普通にありますので…。

低速車線
流れ110km/hrくらい 、
トレーラーやキャンピングカーや
私のようなびびりの人には心地よい車線です。

中速車線
流れ160km/hrくらい、
地元の乗用車 、びびりは
どうにも遅いキャンピングカーを
追い越す決意をしたときに使う車線です。

高速車線 
時々200km/hrオーバーの車が追い抜いてゆく車線です。
幅広タイヤも ごっついブレーキも
固められたサスペンションも、もはや実用のためです。

追い抜きは必ず車速が速い側の車線を使います。

例えば、後ろから100km/hrの速度差の車が近づいた時、
すぐに低速側の車線に移って道が譲れる環境を
お互いに作っておきます。


皆がルールとマナーを守る。
これが速度無制限で安全が保たれている秘密だと
思います。

では、これよりアウトバーンをつかって
ドイツからベルギーのある場所に向かいます。

ある場所とは、このブログでおなじみ、ドイツ駐在日本人
S氏がGoogleアースの衛星写真で見つけて、どーしても
現地を見たくて仕方がなくなった場所です。

“出張者に付き合ってもらうのは、とても気が引けて、
嫌なら断ってくれていいんだけど、
一緒に行ってくれそうな人が見つからなくて、、
実は、ベルギーに、◯◯◯”
という感じで相談を受けた私は、
”へー、そんな場所があるのなら一度見てみたいですね”
と、答えて、週末の休日を利用したベルギーへの小旅行が
決定したのでした。

これから、宇宙から見ても現地で見てもビックリの
ベルギーにあるその場所に、向かいます。

途中の道が晴れようが

突然の雨に見舞われようが、

一番低速の車線をKEEPして安全運転。


田園を延々、

歴史がありそうな街を通りぬけ、また田園を通り抜け、
を繰り返し、

ベルギーの サントル運河に到着! 

まずは、船のエスカレーターです。 

船のエスカレータ?の正体は、
サントル運河の高低差を一気に解決する
ために建造された船が乗るエスカレータです。

上の写真では、左側の橋脚がエスカレータ部分です。
左側が低く右側が高くなっています。

このエスカレータの原理はケーブルカーと同じです。
滑車の片方に船が入る箱を結びつけて
もう片方に錘(おもり)を結びつけておきます。
錘が下がれば船入りの箱が登ってきます。

塔の一番高いところから、低い方を見たのが次の写真です。
エスカレータは2基あって独立して動きます。
今は、2基とも下の方に居ますね。
うーむ、それにしても周囲は田園風景。

塔の一番高いところから、高い方を見たのが次の写真です。
船がエスカレータの到着を待っています。
うーむ、こちらも田園風景。

しばらく待つと、船を載せたエスカレータが登ってきました。

しばらく、と言いましたが、実はかなりの時間、待ちました。
どーしても、動いているところが見たくて、ひたすら田園時間に
身を委ねました。
S氏が、”もし興味がなければ断ってくれても、、”と誘ってくれましたが、
私は、興味大ありの輩(やから)なので、誘ってくれて感謝です。
なので、待ち時間も苦になりません。

到着すると水門が開きます。降りる船が済んだら、乗り込む船がエスカレータに入ります。

この様子は、3倍速のビデオをご覧ください。

大きな船だと、幅がギリギリです。訪れた2014年はちょうどサッカーワールドカップの年でビデオに写っている船の船尾に”GoGoベルギー”の旗が翻(ひるがえ)っています。この頃はベルギーもドイツも勝ち進んでいて熱狂のるつぼで、現地の若者は、”どこから来た?日本?日本のサッカーも最高だぜ、ヒョォー”っと言いながら去っていくという感じでした。

こうなれば、もっと近くでゴロゴロ動いているエスカレータも
見たくなります。急いで坂道を降りて先回りして待ちます。

上からエスカレータがゆっくりゴロゴロと降りてきて、
目の前を通り過ぎてゆきました。
(この中に、たっぷりの水と船が入っています)

子供の頃アニメで見ていたロボットが通り過ぎて行った感覚でした。

S氏 ”では、船のエレベータを見に行きましょう”

”え〜、エレベータもあるんですか?”

再び車で移動移動しますが、それほど遠くはありません。
エスカレータとエレベータが一つの地図に収まるくらいの
距離です。

新しくて、デカい方の、船のエレベータです。

左側が高い側の運河、右側が低い側の運河です。
もし、水が流れていたら、滝のイメージです。
水は、このエレベータの水門が堰き止めています。

高い側から低い方を見ると、このように見えます。
かなり高いですね。この落差を、船はエレベータで
登り降りします。


下から見ています。
ケーブルで吊られている箱が、船のエレベータです。

ゆっくり、ゆっくり降りてきます。
例によって、箱の中には、船が、水と一緒に入っています。

”エレベータ 1階に到着でございます” 前方の水門が
開いて、船は運河に出てゆきます。

この様子も3倍速のビデオでご覧ください。

よくみると、船上の観光客らしき人が、水門からの滴(しずく)に気づいて慌ててフードをかぶっていますが、間に合ったかな〜?

この巨大な施設のすぐ近くに、船のエレベータのご先祖様が現存しています。
左右2基のエレベータが上下します。
先ほどの巨大なエレベータとは違った、繊細さと美しさがあります。
水圧ピストンを利用した構造で、当時の技術力の高さがわかります。

またこの近くには、個人のボートくらいの船用のミニエレベータもあり、
おそらくこちらは自分で操作するようです。
操作法の看板がありました。
操作はシンプル。船を係留したら信号をみて、紐(レバー?)を
引っ張ればいいようです(おそらく)。
非常時の対処方も、
”5.ビックリマーク;万一船が傾いたら非常用の紐を引いてね”
みたいに、とってもシンプルな説明です(笑)。

またすぐ近くでは繊細で美しい跳ね上げ式の橋も、現役で頑張っています。

地元の人々は、このような歴史的な建造物を保存し、何世代にもわたり
運河の交通を支え続けてきたのだと思います。
広大な田園の中に軒を連ねて寄せ合ったような街並みは、
なぜか温かみを感じ今でも私の記憶から離れません。

短いベルギーの旅は、自然、歴史、文明を体感する
密度が濃い旅になりました。

車に乗ると土砂降り、目的地に着くと雨が上がるという
この日の天気のタイミングにも感謝です。

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