【さるきまわった時期 2014年7月】
今日も長距離を運転してくれる
ドイツ駐在の日本人Sさんがニコニコしながら
車に戻ってきました。
”レンタカー屋のおじさんが英語対応のナビを
タダで貸してくれました〜”。
”じゃ、車載のドイツ語ナビとあわせてツインナビできますね”。
”ジャンボジェットもナビゲーションコンピュータを3台
積んでいるらしいですよ”。
”これで絶対、道に迷いませんね…
ゴージャスう..俺たちカッコいい〜!”
出発
”ドイツ語と英語で同時にしゃべられると
聞き取りにくくないですか?”
”道に迷うことを考えれば、そこは我慢でしょ…”。
ツインナビが本領を発揮する時が来ました。
ドイツなび ”右!”
英語ナビ ”左です!”。
S氏・私 ”どっちにします〜? どっちでしょうね〜”
”というか、ナビって これでよかたんでしたっけ?”。
ドイツ語ナビの方はほとんど到着までおやすみして
いただきました。
(街中のごみごみしたところはドイツ語ナビが優秀でした)
次の写真のフロントガラスに張り付いているのが、
追加した英語ナビです。
”え〜、両方一緒に使っちゃたのー!?”
と、笑われそうなので、レンタカー屋のおじさんには
このことは内緒です。
ラウンドアバウトとは
ヨーロッパには、ラウンドアバウトと呼ばれる
環状交差点が、多くあります。
東京都のマークのような形の交差点で、
サークルをぐるっとまわって、行きたい方向に
出てゆきます。
カーナビ ”・・番出口方面です”
S氏”いま何番出口って言いました?”
私”すみません、聞いていませんでした”
ラウンドアバウト2週目
S氏 ”多分2番出口ですよね”
私 ”うん、多分根拠はないけど”
えいや!とラウンドアバウトから脱出。
30分ほど走ると山に囲まれた丘に出ました。
山の斜面は一面の葡萄畑、見回すと山の頂には、
古いお城や教会が建っています。
私 ”おとぎの国のようなところですね”
S氏 ”・・・・・”
私 ”もしかして、おとぎの国は初めてですか?”
S氏 ”引き返しましょう。さっきのラウンドアバウトまで”
長距離運転をしていただいているSさんには、
大変申し訳ないですが、見ることができないはずの
風景ががみられて、私はとってもラッキーでした。
アウトバーンで国境を越えるとき
EU各国は基本的にパスポート提示なしで
国境を超えることができます。
アウトバーンで国境を越える時も、基本的には
日本で県をまたぐ時と変わりません。
あれ、いつ入ってんだっけ?という感じです。
とはいえ国をまたぐわけですから、パスポートは所持しておくべき
と思います。
ところが基本的でない場合、すなわち注意が必要な場合をつぎに説明します。
まず、そもそもEUの成り立ちは、国境を接している大陸国家間では、
以前はご近所付き合いでもめることもしばしば、ならば、EUという
一蓮托生のしくみを作りましょうということだったと思います。
したがってEU加盟国間なら、アウトバーンも無料で行き来自由、ヤッホー!
ところが、
”ちょっと待った!”
”うちのアウトバーンって、単なる通り道になってて、
道の修理費とか管理費だけかさんでるんですけど~!”
という地域も出てきます。
このような、不公平を解消する一つの方法が、通行証です。
この通行証は、国境をまたぐ直前のサービスエリアで購入することができます。
購入したらすぐにフロントガラスに貼ります。
ですので、この通行証が必要な国に入るときは、
国境を探すよりもこの通行証が買えるサービスエリアを
見逃さないことの方が緊張します。
通行証は短期の一番安価なものを買っていますので、
レンタカー返却時には期限切れで単なるフロントガラスの
汚れになっています。
では、剥がして返却しましょう、、、ん?
ここまで、強い接着力って必要?
しかも、フロントガラスの先の方に貼ってしまったので、
指が入らないよ〜。
空力重視でフロントガラスがねていて、フロントガラスの先の方は
通行証を指でコリコリと剥がすこともできないほどダッシュボードとの
隙間がありません。
このレンタカー、ディーゼルだけど200km/hr出せると聞いたことがあります。
アウトバーンを走る車は設計思想がちがうと感心しました。
というわけで、通行証まで指が届かないので、剥がせませんでした。
レンタカー屋のおじさん ごめんなさい。
車や運転にも、国によって色々な事情やルールがあって面白いです。